リョーユウ工業株式会社
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金属加工の見積もりが決まる仕組みを知ろう|リョーユウ工業株式会社

アルミ加工ステンレス加工
#金属加工#見積もり

「すぐにこの部品を試作したい」
「予算があるので価格を少しでも安く抑えたい」

金属加工を業者に依頼する際、どうしても気になるのが見積もりではないでしょうか。
今回はそんな見積もりに関するお話です。

見積もりがどのような仕組みで決まっているのかが分かれば、相場やコスト削減が可能になります。
この記事では金属加工の見積もりの構成要素と、コストを抑えるためのポイントを解説します。

見積もりに必要な情報が知りたい、予算内に費用を抑えたいと思っている若手技術者は、最後までお見逃しなく。

 

 

金属加工の見積もりに必要な情報


金属加工の見積もりに最低限必要な情報は、図面、材質、数量、納期の4つです。

①図面

金属加工の見積もりを依頼する際は図面が必要です。
図面には、部品の形状、厚さ、寸法精度、表面仕上げ、特記事項など、部品に求められる全ての情報が記載されています。
加工業者は図面をもとに具体的な加工方法を検討し、見積もりを作成します。
加工方法によっては、図面に記載された寸法通りの精度が出せない場合や、加工自体が難しいケースが出てくるかも知れません。
見積もりの段階で、加工業者と打ち合わせために必要になるのが図面です。

当社では時間がないお客様のために、3D図面のみの見積もりや図面作成のサポートも行っております。
お問い合わせはこちらから!
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②材質

図面とともに、想定している材質の情報が必要になります。
材質によって材料費や加工の難易度が異なるためです。
材質とは、単に「鉄」や「ステンレス」といった素材名だけでなく、「SPCC(冷間圧延鋼板)」や「SUS304」といったグレード名まで具体的に指定する必要があります。
同じ材質でもグレードによって、材料の強度、耐食性、加工性が異なり、材料費も変わるためです。

 

③数量

一度に発注する数量を伝えましょう。
加工方法や製品1個あたりの加工コスト、納期などが数量によって変わるためです。
一般的に、発注数量が増えるほど、1個あたりの単価は安くなる傾向にあります。
複数の製品を同時に加工する場合、加工の準備や段取りに要する時間が、1個あたりの製品に対して少なく済むためです。
材料をまとめて購入することで、単価を抑えられるメリットもあります。

 

④納期

希望納期を伝えましょう。
納期は、材料の手配、加工機の稼働スケジュール、従業員の割り当て、加工の難易度など様々な要素によって決まります。
加工工期はその時の状況に左右されるため、事前に加工業者と打ち合わせをしておくと安心です。
短納期を希望する場合でも、状況に合わせて対応してくれる加工業者もあるので相談してみると良いでしょう。
納期に余裕がある場合は、加工業者は作業計画を立てやすく、より効率的な生産が可能となり、結果的にコストを抑えられる可能性があります。

 

金属加工の見積もりはどのように決まるの?

金属加工の見積もりは大きく分けると製造原価管理費利益によって決まります。
製造原価は、部品を製造するために発生する全ての費用のことで、材料費加工費経費から構成されます。

費目 内容
材料費 部品を作るために使った材料の費用
加工費 部品を作るためにかかった加工費用(人件費を含む)
経費 部品を作るために使った材料費、労務費以外の費用(電気代など)
管理費 部品を売るためにかかった費用(運送料など)
利益 会社の利益

 

今回は材料費と加工費に絞ってお話をしていきます。
これらはお客様がコントロールできる費目だからです。

 

材料費

部品を作る上で消費する原材料の費用を、材料費と呼びます。
材料費はさらに以下の要素で決まります。
 ・材質
 ・グレード
 ・経済動向

材料費を決める一番大きな要素が材質です。
一般的な材料の場合、鋼鉄、ステンレス、アルミ、チタンの順に材料費は高くなる傾向があります。

材質は組成の違い、表面処理の状態によってさまざまなグレードに分かれており、グレードによっても材料費は変わります。
ここでは使用頻度の高い金属材料の一覧と、それぞれの材料費のコストイメージをまとめました。


      (引用:『ついてきたなぁ!材料選択の「目利き力」で設計力アップ』, 國井良昌著, 日刊工業新聞社)
      ※材料費は需要と供給のバランス、為替など経済動向により変動します

当社では、お客様のご希望に応じて最適な材料を選ぶための技術支援、提案を行っております。

>>「ご相談・お見積り

 

加工費

部品を製造する上で、原材料を加工するために必要な費用を、加工費と呼びます。
加工費はさらに以下の要素で決まります。
 ・加工チャージ
 ・加工工数
 ・特殊加工費

加工チャージとは、加工機を一定時間稼働させるためにかかる費用のことです。
機械の固定費、メンテナンス費用、機械を操作する人の人件費などを含みます。
加工業者によって、この加工チャージの算出方法が異なるため、同じ加工内容でも見積もりが変わることがあります。

加工工数とは、部品を加工するために必要な時間のことです
加工の内容が複雑であったり、精度が要求される場合、加工に時間がかかり加工費も高くなります。
また、製品の数量が多い場合も加工時間が長くなり、加工費が高くなる傾向があります。

特殊加工費とは、部品の表面処理やメッキ、塗装など、通常の加工(1次加工)の後に行う加工にかかる費用のことです。
専用の設備や技術が必要なため、通常の加工よりも高額になるケースが多いのがこの特殊加工費です。
自社で設備を持っている加工業者と、外部に委託する加工業者では、費用が変わることがあります。

 

金属加工のコストを抑える手順

金属加工の見積もりは、材料費と加工費で変わると解説しました。
ではどうすれば材料費と加工費を抑えることができるのでしょうか。
具体的に金属加工のコストを抑える手順を解説します。

 

①2D図面を作成する

近年、3D-CADを用いた設計が主流となり、スピーディーにものづくりが行われるようになりました。
しかし、2D図面の作成は依然として重要な役割を果たしています。

コミュニケーションコストという隠れたコストを削減できるためです。
3D-CADは部品を立体的に表現できるため、設計段階でのミスを減らすことができます。
しかし、3D-CADには加工精度や重要寸法、仕上げといった部品の品質レベルに関する情報がありません。

加工方法や加工工数は要求される品質レベルによって変わります。
要求レベルに応じた見積もりをするためには、お客様にお手間をお掛けして、都度情報を提供していただく必要があるのです。
(相見積もりをしている場合は業者ごとの対応が必要になります)

3D-CADを扱える加工業者が限られていることもあり、3Dデータの取り扱いは2D図面と比較してコストがかかる傾向にあります。
2D図面まで作成し、手間を省くことでトータルコストの削減を目指しましょう。

 

②相見積もりを取る

2D図面が完成したら、複数の加工業者に相見積もりを取りましょう。
材料費や加工費は、業者の保有設備、得手不得手によって変動します。
相見積もりを取ることで、相場が分かり、適正な価格で金属加工の依頼ができます。

「見積もりが高すぎる」と感じたときは次の点をチェックしましょう。
<高すぎる見積もりの場合>
 ・不得意な加工に対応するため、割高な見積もりになっている可能性がある
 ・加工設備が新しく、加工チャージが高く設定されている可能性がある
 ・傷防止の包装など、過剰にコストをかけている可能性がある

「見積もりが安すぎる」と感じたときも注意が必要です。
次の点をチェックしましょう。
<安すぎる見積もりの場合>
 ・品質レベルが低く、トラブルにつながる可能性がある
 ・トラブル後の対応が不十分な可能性がある
 ・納期が遅れる可能性がある

相場を知り、適正な価格で希望品質に合う製品を提供してくれる加工業者を選びましょう。

 

③図面をもとに加工業者と話す

2D図面を作成し、相見積もりを取ったら、依頼する加工業者を決定します。
この段階で、加工業者と図面をもとに、部品に関する情報を共有し、意見交換することをおすすめします。
顧客目線で仕事をしている加工業者は、顧客の要望を理解し、良い部品をより安く作るための提案をしてくれるためです。

<共有する情報>

部品の使用目的 製品のどこに使われる部品なのか、使用目的を共有しましょう
求める品質レベル 寸法精度、外観、仕上がりなど、使用目的に応じた品質レベルを共有しましょう
納期 デッドラインを伝えましょう
予算 予算を伝えることで、加工業者側も最適な提案をしやすくなります

 

加工業者との情報共有は、コストを削減するための近道です。
情報を積極的に共有していきましょう。

 

まとめ|リョーユウ工業でお見積りしませんか

今回は金属加工の見積もりの構成要素と、コストを抑えるためのポイントについて解説しました。

金属加工の見積もりは、部品の形状や材料、加工方法や加工業者の力量など、様々な要素によって決定されます。
中でも見積もりに大きく影響する要素が、材料費と加工費です。

当社は、長年の経験と実績にもとづいた提案力で、お客様のご要望に柔軟に対応してまいりました。
ご予算に応じて、材料と加工方法の提案をいたします。

お見積りのご相談を社員一同お待ちしております!

 

 

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