|
聞いたことはあるけど、特徴や使い方はよくわからない方も多いのではないでしょうか。
プレーナー加工は金属表面の平面出しや、シャープな90度曲げによく用いられる加工方法です。
この記事ではプレーナー加工の基本的な仕組みから、業者選びのポイントまでまとめて解説します。
若手設計者にはぜひ押さえてほしいポイントです。
ぜひ最後まで見ていってください。
プレーナー加工のご相談はぜひリョーユウ工業まで!
>>「ご相談・お見積り」
プレーナー加工は金属のカンナがけ
プレーナー加工とは簡単に言うと金属のカンナがけです。
(※カンナがけ:木材表面を削り、表面を平ら・滑らかにする作業)
バイトと呼ばれる刃物をカンナのように、金属の表面を走らせて削ります。
金属を任意の形状でカンナがけできるプレーナー加工は、0.1mm単位の精度で表面を仕上げることができます。
一部分だけ他の箇所よりも一段落とす、ガイド用の溝を彫る、といったこともできます。
さらに、プレーナー加工の大きな特徴が直線運動であることです。
●プレーナー加工は、直線運動 |
通常の加工では、刃物が回転しながら同じ部分を何度も切削するため、熱が生じます。
この切削熱がワークの歪や工具の摩耗の一因となっているのです。
一方で、プレーナー加工はワークと工具の接触時間が短く、熱が発生しにくいため以下の特徴があります。
|
プレーナー加工は歪みの調整や、外観品質が重視される部品の仕上げに適した加工方法です。
特に、長尺かつ高精度な平面が求められる構造部品や、薄板・難削材の加工に効果的です。
プレーナー加工のメリット・デメリット
プレーナー加工のメリット
メリット①|大型ワークでも安定した平面仕上げ
加工時に刃物が一直線に動くため、数メートル規模の長尺板や大型部品でも、安定してムラの少ない平面が得られます。
精度が求められる機械構造部品の仕上げや、溶接後の反り修正に適しています。
仕上がり面の平面度や真直度を高いレベルで製作可能です。
メリット②|反り・歪が少ない
一般的な回転工具では600~1,000℃の高温が発生すると言われており、反りや歪の影響が避けられません。
一方、プレーナー加工はワークとの接触時間が短く、熱が発生しにくい加工方法です。
そのため、加工後でも反り・歪の少ない製品品質を維持できます。
メリット③|薄板・難削材にも対応
厚さ2mm以下の薄板や、チタンのような難削材でも、0.1mm単位で均一な加工が可能です。
高い品質が求められる精密部品や外観品の加工に適しています。
プレーナー加工のデメリット
デメリット①|加工が遅い
フライス加工や一般的な切削加工と比べて、サイクルタイムが長くなる傾向があります。
刃物が直線を往復する構造上、1ストロークずつ加工する必要があるためです。
特に加工範囲が広いワークや、複数回の仕上げ工程が必要な場合には、生産効率に影響を及ぼすことがあります。
納期や大量生産が重視される案件には向かない場合があります。
デメリット②|対応できる業者が少ない
大型設備と切削工具の選定ノウハウが必要なため、対応できる加工業者が少ないのが現状です。
職人が手作業で切削バイトを設計・制作・再研磨できるスキルが求められます。
デメリット③|曲線や複雑形状には不向き
曲線や円弧、複雑な形状の加工には適していません。
プレーナー加工は直線的な平面の精度を高めるためには優れた手法です。
しかし、複雑な形状や3次元的な形状の加工には、マシニングセンタやワイヤーカットなど他の加工方法の方が適切な場合があります。
プレーナー加工の主な活用シーン
1. 長尺部品の平面加工・溝入れ
構造ベースや機械の架台など、数メートルにも及ぶ大型ワークの加工では、プレーナー加工が有効です。
長尺でも安定してムラの少ない平面仕上げが可能で、平行溝や段差加工なども同時に行うことができます。
2. V溝加工
板金部品をシャープに折り曲げるためのV溝加工も、プレーナー加工の得意分野です。
通常の板金曲げを行う前に、一定深さのV溝を入れることで美しい直角曲げが可能になります。
>>「プレーナー曲げ」
3. 開先加工
厚板の溶接作業前に端面を斜めに削る作業が開先加工です。溶接性を高め、欠陥の少ない高品質な接合が可能になります。
板厚や用途に応じてV形・Y形・K形などの開先形状を使い分けます。
リョーユウ工業では最大8mまでの大型部品に対し、プレーナー加工による高精度な平面加工・V溝加工・開先加工に対応可能です。
構造部品や板金の折り曲げ、溶接前の下準備など、美しい仕上がりと高い加工精度を実現します。
業者選びで重要な5つのポイント
1. 保有設備
業者の設備スペック(ストローク・最大加工寸法・門型構造など)を確認しましょう。
大型ワークや長尺物の加工には、6m級以上のプレーナー設備が必要になります。
2. 実績と技術力
加工実績のある金属材料の種類、加工事例をチェックしましょう。
●金属材料の種類(ステンレス・アルミ・チタン等)の加工経験
●加工種類(平面/V溝/開先等)の実施経験
3. コミュニケーション
見積もりや問い合わせへの返答は迅速・丁寧か、信頼できるかどうかを見極めましょう。
技術的な疑問に対し「こんな加工もできますよ」といった提案力、姿勢があるかも重要なポイントになります。
4. 輸送・物流対応
クレーン搬入の有無や、梱包による傷防止・両面へのケアなど、大型のワークに対応しているか確認しましょう。
地理的に近い業者は輸送コスト・納期面でも有利になります。
5. 品質保証体制
品質マニュアルの有無や検品項目、不具合に対する対応など、品質保証に対する体制が整っているか確認しましょう。
加工業者の品質に対する意識を、コミュニケーションの中で見極めておくと安心です。
|
技術・信頼・品質、3つ備わった加工業者であれば、大きなトラブルになることはありません。
実績や対応力を確認し、納得のいくパートナーを見つけましょう。
まとめ
今回は若手設計者のための「プレーナー加工の見積もりガイド」を解説しました。
<要点> |
プレーナー加工は、大型部品の平面加工やV溝・開先加工に適した加工方法です。
反り・歪が少なく、高精度で美しい部品に仕上げることができます。
リョーユウ工業では、熟練の職人と最新設備による加工技術、丁寧な対応、徹底した品質管理体制で、お客様の信頼に応え続けています。
プレーナー加工でお困りの方は、ぜひ一度ご相談ください。
金属加工の豆知識一覧に戻る