リョーユウ工業株式会社
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シカル曲げ(ピン角曲げ・Vカット曲げ)|リョーユウ工業株式会社

鉄加工
#プレーナー加工#シカル曲げ

👤「もっと高級感のある仕上がりにしたいけど、どうすればいいかわからない...」
👤「製品の単価を上げたいけど、上げられない...」

近年のものづくりでは、とにかくコストを抑えることが優先され、開発の現場は厳しさを増すばかりです。デザイン性の高い製品では、目を引く美しいラインやシャープな曲げが他社との差別化になります。一般的な曲げ加工にひと手間加えるだけで、外観の直線美や質感が際立ち、製品の高級感が一段と増す手法がシカル曲げです。

年間5万品目以上を加工するリョーユウ工業が、シカル曲げの基本から活用シーンまでを解説します。この記事を読めば、なぜシカル曲げで高級感を高められるのかが分かります。デザイン性や仕上がりで差別化を図りたい方に役立つ内容になっていますので、ぜひ最後まで読んでいってください。

 

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「シカル曲げ」でシャープな角を作り出す

 

シカル曲げはピン角曲げ・Vカット曲げとも呼ばれる曲げ加工方法の一つです。一般的な曲げ加工と違う点は、曲げの前にVカットを入れる工程があることです。Vカットを入れることで、曲げRの小さいシャープな曲げ角を作りだすことができます。

あえて手間をかけてシャープな角を作る理由2つです。

<シカル曲げのメリット>
 ①高級感がでる
 ②小さな力で曲げやすくなる

 

通常の曲げでは緩やかな曲げRが自然にできるため、できあがった製品の見た目は「やわらかい印象」「ボテッとした印象」になります。その緩やかな曲げRが生まれる原因は板金の厚みにあります。

たとえば下図のように板厚が1mmの板金の曲げRはR1、板厚が2mmの板金の曲げRはR2といった具合に、最低でも板厚分の曲げRが生じます。

一方「シカル曲げ」の場合は、曲げの内コーナー部分を削ることにより材料の「伸び」を減らし、曲げRを最小に抑えています。

 

一般的な曲げと「シカル曲げ」の違い

 

 

 

シカル曲げのメリット

 


 

高級感がでる

シカル曲げを使えば、製品は洗練された印象を与えることができます。シャープな曲げがメリハリを生み、直線や平面の美しさを際立たせるためです。


<シカル曲げの代被例>
 ●ブランドショップのディスプレイ棚
 ●企業の看板ロゴプレート
 ●高級家電の外観部品
 ●アート作品デザイン家具

 

シカル曲げによって生まれる「ピン」としたラインは、店舗や建築空間にモダンで高級な雰囲気をもたらし、デザインそのものの魅力を引き立てます。継ぎ目のない一体感やシャープな影ができるため、光の反射が美しく上質な空間演出が可能になります。

同じ素材でも、曲げ方ひとつで「高価に見える製品」へと格上げできるのがシカル曲げの特徴です。加工精度や仕上がりの美しさへのこだわりが、ブランドの信頼性価格競争力を高めます。

 


 

小さな力でも曲げられる

曲げに必要な加工機の能力は材料の種類や板厚、曲げラインの長さから計算します。

<曲げ加工に必要な力>
 ●ステンレスのように硬い材料の方が大きな力が必要
 ●板厚の薄い材料よりも厚い材料の方が大きな力が必要
 ●曲げラインは短いよりも長い方が大きな力が必要

 

 

曲げに大きな力が必要になるということは、より大きなプレス機が必要ということです。プレス機が大きくなると加工精度に影響がでます。シカル曲げは、曲げ工程の前にVカットを入れるので必要な力が少なくすみます。大型のパネルや長尺の部材でも精度よく、歪みや反りの少ない加工が可能になるのです。

大型でも容易に曲げられる特性を活用すれば、つなぎ目のない大型製品の製作も可能です。つなぎ目がないことで、雨水の浸入や漏れの心配がなく、一体感あるデザインと高い機能性を両立できます。

 

 

シカル曲げのデメリット

 


 

強度が落ちる

シカル曲げでは材料を削る工程があるため、そのぶん強度が下がるというデメリットがあります。曲げの前に入れるVカットを深くすればするほど、残肉は薄くなり強度は低下します。

さらに、Vカットの先端では応力が集中するため、どうしても割れやクラックなどが発生しやすくなります。加工時には問題なくても、製品に衝撃が加われば破断にいたり、市場クレームにつながるリスクもゼロではありません

構造材や荷重を支える部品には向かず、見た目を重視した装飾パネルや化粧カバーに向いている加工法がシカル曲げです。設計段階では、クレームにつながりかねないこうしたリスクを十分考慮しておく必要があります。信頼できる加工業者と、使用用途や必要な強度をしっかりと話しあうことが重要です。

 


 

コストがかかる

シカル曲げは、Vカット工程が加わるぶん、一般的な曲げ加工よりコストが高くなります。Vカットの工程では専用の「プレーナー加工機」を使用します。

Vカットの深さや角度など最適な形状決定には豊富な経験が必要です。わずかなズレでも仕上がりの美しさや強度に影響が出てしまうので、加工業者がもっとも神経を使う作業です。

また、「プレーナー加工機」の空き状況によっては、想定以上に納品に時間がかかる可能性があります。

納期遅延は余計な開発コストを生み出すため、あらかじめ加工業者に保有設備と稼働状況を確認した上で、バッファを持たせた日程を組んでおくと、開発ロスを減らすことができます。

 

 

 

シカル曲げの活躍シーン|ステンレス製品で違いを生み出す

 

当社で手がけた看板と換気扇フード

 


 

建築装飾や店舗什器でのシカル曲げ活用例

商業施設や高級ブランドの店舗、ホテルの内装・外装では、シカル曲げで作った製品がアクセントになっています。たとえば、ステンレス製のカウンター、棚、什器、看板、サインプレート、ドアフレームなど、見る人に直線美高級感を強く印象づけます。

リョーユウ工業では「鏡面仕上げ」や「ヘアライン仕上げ」と「シカル曲げ」を組み合わせ、一歩先の美観と高級感を追求した工夫を行っています。高い品質が評価され、百貨店の什器や高級ブランド店舗、ホテルのレセプションカウンターなど、デザイン性を重視する案件でご依頼を多数いただいています。

世界2位を受賞したランプシェードのように、芸術性の高い意匠曲げも手がけています。お客様から「高級感の演出に最適」「現場での仕上がり品質が安定する」といった声をいただいています。意匠性と高品質な製品をお求めの際は、リョーユウ工業のシカル曲げをぜひご検討ください。

 

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空調ダクトや屋根パネルでのシカル曲げ活用例

シカル曲げは、空調ダクトカバーや屋根パネルといった機能性と美観の両立が求められる分野でも活用されています。リョーユウ工業では、手のひらサイズから最長8mの製品まで対応できるため、幅広い分野の製品加工が可能です。V型排水溝などでは設計図面作成から加工・納品までをわずか3〜4日で対応し、現場の工期短縮に大きく貢献したこともあります。

デザイン性だけでなく、現場での取り付け作業を簡易化し、清掃や部品交換のしやすさといった運用面での改善も提案してきました。最近では、太陽光架台や大型看板、トラック架装部材といった分野でのご依頼が増えてきました。シンプルながら美観と機能美を兼ね備えたシカル曲げは、需要がさらに高まっています。

 

 

 

まとめ:シカル曲げの特徴を理解して、製品を差別化しよう

シカル曲げは、一般的な曲げ加工では得られない「ピン角」と呼ばれるシャープで高級感のある仕上がりを実現できる技術です。デザイン性と機能性の両立が求められる建築装飾や什器、設備部材など用途は多岐にわたります。しかし、強度の低下や加工コストの増加といったデメリットには注意が必要です。

上手に活用するためには、美観・強度・コストのバランスを意識し、適材適所で採用する視点が重要です。ワンランク上の製品づくりに欠かせないシカル曲げ。お困り事があればお気軽にご相談ください。経験豊富なスタッフが丁寧にお答えいたします。

 

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