リョーユウ工業株式会社
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金属加工の全体像がわかる|代表的な加工の方法と種類を解説

鉄加工
#金属加工#方法

「図面はできたけど、この加工ってどう依頼すればいい?」
「正しい金属加工の知識がないと恥をかくのでは」

そんな経験がある若手設計者の方も多いのではないでしょうか。金属加工には、素材の形を変える・削る・表面を処理するなど、さまざまな方法があります。それぞれの加工法には特性と得意分野があり、設計段階での判断が製品品質コストに大きく関わります。

この記事では、「成形加工」「除去加工」「付加加工」の3つの分類を軸に、代表的な加工方法をわかりやすく解説します。金属加工の全体像をつかみたい方は、ぜひ最後までご覧ください。

 

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金属加工とは?基礎知識と身近な例

金属加工が生活に欠かせない理由と用途例

金属加工は、私たちの暮らしを支えるモノづくりの土台です。たとえば、パソコンや家電の内部には、数多くの金属部品が使われています。自動車のフレームやエンジン、電車の車輪、ビルや橋の骨組みも、すべて金属加工によって作られています。

さらに、工場の機械部品や医療機器、航空機のパーツ、発電設備に至るまで、あらゆる産業で金属加工は欠かせません。もし金属加工がなければ、現代の快適で安全な社会は成り立たないといえるでしょう。

 

金属加工と機械加工の違い(広義と狭義の解説)

「金属加工」「機械加工」は似た言葉ですが、少し意味が異なります。

金属加工は、金属を目的の形や性質に変えるためのすべての加工方法の総称です。鋳造(溶かして流し込む)、鍛造(叩いて変形させる)、溶接、表面処理など、幅広い工程が含まれます。一方、機械加工はその一部で、切削加工や研削加工など、工具や機械で金属を削って整える工程を指します。

● 金属加工=広い意味(鋳造・鍛造・溶接・表面処理などを含む)
● 機械加工=その一部(主に削る加工)

現場では両者を同じ意味で使うこともありますが、技術的には明確に区別されます。この違いを知っておけば、加工方法の選定や外注依頼の際に、誤解なくスムーズなやり取りができるようになるでしょう。

 

 

金属加工の方法その1|成形加工(形を作る加工)

金属に圧力や熱を加えて目的の形に変える工程は、「成形加工」と呼ばれます。

鋳造加工

鋳造加工は、金属を高温で溶かして型に流し込み、冷やし固めて形を作る加工方法です。複雑な形状でも一体で成形できるのが特長で、自動車のエンジン部品や水道用バルブ、工作機械のフレームなどに用いられます。

大量生産に向いており、比較的コストを抑えやすいことから、幅広い分野で利用されています。一方で、内部に気泡や巣が発生しやすく、強度や寸法精度が厳しく求められる部品には注意が必要です。

鋳造加工の特徴
複雑な形状を一体で成形できる
大量生産に向いており、コストを抑えやすい
● 表面・寸法精度には配慮が必要

 

塑性加工

塑性加工は、金属を加熱または常温のまま圧力を加えて変形させる加工方法です。「鍛造」や「プレス加工」が代表的な例です。鍛造は、金属を叩いて圧縮し、内部組織を密にすることで高い強度を実現できます。クランクシャフトやボルトなど、負荷のかかる部品によく使われます。

一方、プレス加工は、金属板を金型で挟んで曲げたり打ち抜いたりする方法で、自動車のボディや家電部品など、薄く軽い部品の大量生産に適しています。塑性加工は、材料ロスが少なく、スピーディで高精度な加工が可能なため、コストダウンにもつながります。

塑性加工の特徴
● 鍛造:強度が高く、衝撃に強い部品に最適
● プレス:板材を素早く成形でき、大量生産向き
● 切削加工に比べて材料ロスが少ない

 

粉末冶金

粉末冶金は、金属粉末を型に詰めて圧縮し、熱で焼き固めて部品を成形する加工方法です。金属を溶かす必要がないため、エネルギー効率に優れ、複雑な形状の小型部品を高精度に大量生産できます。自動車のギアや家電のモーター部品など、微細形状や内部に空洞がある部品に多く使われています。

さらに、異なる金属粉を組み合わせることで、通常の鋳造や切削では実現しにくい耐摩耗性や耐熱性などの特性を持つ材料も作れます。ただし、焼結による強度には限界があるため、極端に大きな荷重がかかる部品には不向きです。

粉末冶金の特徴
複雑形状微細部品の大量生産に適している
● 材料ロスが少なく、コスト効率に優れる
耐摩耗性・耐熱性などの特殊な性質を持つ合金も製造可能

金属の形をつくる加工には、それぞれ特徴や適した用途があり、設計段階での判断が製品の品質やコストに大きく影響します。当社では豊富な経験をもとに、最適な加工方法の提案をしています。

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金属加工の方法その2|除去加工(削って仕上げる加工)

除去加工は、金属の不要な部分を削って形や寸法を整える加工方法です。精密さ表面の滑らかさが求められる部品に多く使われ、機械加工の中心的な技術でもあります。

切削加工

切削加工は、刃物(工具)を使って金属を削り、形や寸法を整える加工方法です。旋盤フライス盤、マシニングセンタなどの工作機械を用いて、丸棒や板材から精密な部品を削り出します。自動車部品の軸や穴、電子機器のケースなど、寸法精度や表面の仕上がりが求められる場面で多く使われています。

また、設計変更や試作、小ロット対応にも適しており、少量多品種に柔軟に対応できるのも特長です。

切削加工のポイント
高精度・高品質な加工が可能
● 試作や小ロット生産に向いている
● 材料ロスと加工時間に注意が必要

 

研削・研磨加工

研削・研磨加工は、砥石や研磨材を使って金属の表面を滑らかに仕上げる加工方法です。通常は切削加工のあとに行われ、寸法精度表面の仕上がりをさらに高める目的で使われます。金型ベアリング、精密機械の部品など、わずかなズレも許されない場面では研削加工が欠かせません。

また、鏡面仕上げが求められる外装部品などには研磨加工が用いられます。使用する砥石や工具の種類によって、硬い金属でもきわめて細かく仕上げることが可能です。ただし、加工には時間がかかるため、生産効率とのバランスに注意が必要です。

研削・研磨加工のポイント
高精度・高品質な仕上げが可能
● 表面を滑らかにし、機能や外観を向上
● 加工時間が長く、効率とのバランスが重要

 

特殊加工(レーザー加工・放電加工など機械ではできない方法)

特殊加工は、通常の機械加工では難しい材料や複雑な形状にも対応できる加工方法の総称です。代表的な加工方法には以下があります。

レーザー加工:高出力のレーザー光で金属を溶かして切断や穴あけを行う。非接触のため、精密で繊細な加工が可能。
放電加工電極と金属の間に火花を発生させ、金属表面を少しずつ溶かして加工する。硬い材料や複雑な形状にも対応。
エッチング・水圧・超音波加工:用途に応じて使い分けられる特殊な加工方法。

これらの加工は、金型製作や電子部品、航空・医療分野などで広く活用されています。工具の摩耗が少なく、高精度で微細な加工に適していますが、設備コストや加工時間がかかる点には注意が必要です。

特殊加工のポイント
● 非接触加工により、複雑形状高硬度材にも対応可能
精密・微細加工に適している
● 設備コストや加工時間に注意が必要

 

 

金属加工の方法その3|付加加工(結合・性質を変える加工)

金属加工には、形を作るだけでなく、部品同士を結合したり、材料の性質を変えたりする方法もあります。これらは、強度や耐久性を向上させたり、表面を保護するうえで欠かせない加工です。

溶接・接合

溶接・接合は、金属同士をつなぎ、部品を一体化する加工方法です。代表的なのは「溶接」で、アーク溶接レーザー溶接などによって金属を部分的に溶かし、接合します。そのほか、ろう付け(溶けやすい金属で接合)や接着剤を使う方法もあり、素材や用途に応じて選ばれます。

自動車や橋梁、パイプ構造物など、負荷の大きい構造物の組み立てに欠かせない技術です。溶接はしっかり固定できる一方で、歪みや熱の影響が出やすいため、作業者の技術と事前の設計が重要になります。

溶接・接合のポイント
金属部品を接合できる加工方法
● 構造物や機械組み立てに活躍
● 熱による歪み変形に注意が必要

 

熱処理

熱処理は、金属を加熱や冷却によって、硬さ・強度・靱性(粘り強さ)などの性質を調整する加工方法です。主な熱処理には、次のようなものがあります。

焼入れ:金属を高温に加熱し、急冷して硬さを高める処理
焼戻し:焼入れ後に再加熱し、硬さと粘り強さのバランスを整える処理
焼なまし(焼鈍):ゆっくり冷却して金属を柔らかくし、加工しやすくする処理

これらは、自動車部品や金型、工具など、高い耐久性精密さが求められる製品によく使われます。金属の内部構造を変えるため、加工の中間工程や仕上げ工程として重要な役割を担います。

熱処理のポイント
金属の性質(硬さ・粘り・加工性)を調整できる
● 機能部品や工具類に広く使われている
● 温度や冷却条件が性能に大きく影響する

 

表面処理(めっき・塗装などで表面を保護し性能や見た目を向上させる加工)

表面処理は、金属の表面に加工を施し、耐久性や外観、機能を高める方法です。主な表面処理には、以下のようなものがあります。

めっき:金属表面に別の金属膜を形成し、サビや腐食を防ぐ(例:亜鉛めっき、ニッケルめっき など)
塗装:塗料を塗布して、色味・質感・防錆性を高める
ショットブラスト・研磨:表面のバリや傷を除去し、艶を出す
表面硬化処理:表面のみを硬化させ、摩耗や傷への耐性を向上(例:浸炭処理、窒化処理)

これらの処理は、自動車や家電、精密機器など、見た目と機能性の両立が求められる製品に幅広く用いられています。表面処理は、完成品の品質に直結する重要な仕上げ工程です。

表面処理のポイント
● サビ・摩耗・傷から金属を守る
● 外観や手触りを向上させる
● 用途に応じて最適な処理を選ぶことが重要

 

まとめ:金属加工の種類を理解して目的に合った方法を選ぼう

金属加工には、形をつくる「成形加工」、削って仕上げる「除去加工」、部品を結合したり性質を変える「付加加工」など、さまざまな方法があります。それぞれに得意分野があり、製品の形状や材質、求められる精度・数量によって、最適な加工方法は異なります。

加工の特徴を理解しておくことで、設計段階からコスト・性能・生産性のバランスを意識したモノづくりが可能になります。「どの加工法が最適かわからない」「こんな形状でも対応できる?」といった疑問があれば、当社までお気軽にご相談ください。経験豊富なスタッフが、設計意図に寄り添いながら最適な加工方法をご提案します。

 

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